2019年もあと少しになったので、今年のTFTの動向をまとめたいと思います。前回の記事では、TFTローンチであるパッチ9.13からヴォイドアサシンが覇権を握っていたパッチ9.18までをまとめました。今回の記事では、セット1の残りを振り返りつつ現在のセット2ライズオブエレメントまでをおさらいしていきます。
さて早速まいりましょう。
パッチ9.19 カイサの登場とヴォイドの仕様変更
このパッチの目玉となったのはヴォイドアサシンレンジャーという3つのシナジーを持つ新キャラ・カイサの登場です。それに伴い、ヴォイドの仕様変更が入りました。
とはいっても実装直後のカイサは、ヴォイドのナーフも相まってかかなり弱く、活躍できているのはかなり稀でした。
新キャラ
- カイサ(ヴォイド・アサシン・レンジャー)
ヴォイドアサシンの終幕
- パッチ9.18まで
- ヴォイド3ですべてのヴォイドが確定ダメージ
- パッチ9.19より
- ヴォイド2:ランダムなヴォイド1体が確定ダメージを与える
- ヴォイド4:すべてのヴォイドが確定ダメージを与える
パッチ9.17~9.18まで社会現象とも呼べるほど流行っていたハイパーヴォイドアサシンメタがこのパッチにて終了しました。メインキャリーであったカサディンにも重いナーフがあり、このパッチ以降ハイパーヴォイドアサシンは姿を消します。ヴォイドの仕様変更は、新キャラ実装という理由他に、ハイパーヴォイドアサシンを使えなくするという裏の意図も間違いなく合ったでしょう。それほどまで強かった一つのメタが終わった区切りとなったパッチでした。
ニンジャアサシンの復活
パッチ9.14にて圧倒的な力を持っていたニンジャは、その後のナーフで活躍の場がほとんどなくなっていました。そんな彼らがこのパッチにて復活します。
ワイルドシフターアサシン+ヘクステック
これはかなり定番となった形ですが、ワイルド4にシフター3・アサシン3・ヘクステック2を組み合わせた構成です。ニンジャ4も強くはあったのですが、カウンターであるヨードルに対応可能なワイルドを組み合わせた方法が主流でした。
アイテム・フローズンハートが輝くパッチ
特にアサシンに向いているアイテムで、輝いたのがフローズンハートです。以前まではフィールドを移動するパイクやヴァイぐらいに装備するアイテムという認識でしたが、今パッチではアイテムのティアリストで1位に輝くという大昇進を果たしたアイテムの一つです。
TFTは攻撃速度がアタックダメージにも、マジックダメージにも影響するため攻撃速度を下げる系のアイテムはメタになりやすいという傾向があり、後のパッチではアイスボーンガントレットもティアリストで1位を取ります。
新アイテムの登場
- リピーティングクロスボウ
- ジュエルドガントレット
- ハンドオブジャスティス
- アイスボーンガントレット
- クイックシルバー
- トラップクロウ
- シーフグローブ
- ミトン
- デスブレード
- ジャイアントスレイヤー
スパーリンググローブの登場によって多くの新アイテムが導入されたパッチでもありました。実装直後に注目されたのは、シーフグローブとジャイアントスレイヤーくらいですが、その後にセット2になって輝いたアイテムも存在していて面白いです。
パッチ9.20 カイサがヴォイドを復活させる
パッチ9.19で活躍の場が少なかったヴォイドが早くもパッチ9.20でメタに返り咲きます。(パッチ9.19でもアイオニックブローラーと言う形で活躍していたんですがね)ヴォイドを復活させたのは間違いなくカイサで、彼女へのバフによってメタが大きく動いたと言えます。
カイサのバフ
カイ=サのスキルによる攻撃速度増加:30%/60%/90% ⇒ 50%/75%/100%
カイ=サのシールド:300/600/900 ⇒ 400/700/1000
jp.leagueoflegends.com
こんなにバフされるというのは珍しいことで、パッチ9.19でどれだけカイサが弱かったかというのが分かるかと思います。
メタ:ヴォイドブローラーアサシン
多少の構成員の違いはあれど、パッチ9.20で覇権を握っていた構成はヴォイドブローラーアサシンでした。カイサ・アカリ・ジンクスという3キャリーをぜいたくに使った構成で、歴代でこれほど完成度の高い構成はないかもしれません。カイサだけに注目が行くかと思いますが、実はブリッツとジンクスも相性が良く更にはそれにへクステックシナジー(敵のアイテムを封じる効果)が組み合わせるというなんとも贅沢な構成です。
この構成は、次のパッチである9.21でも強かった構成で、むしろなぜか一部がバフされていました。
メタ:インペリアルナイト
こちらも多少の構成の幅はあったのですが、もう一つのメタであったインペリアルナイト構成です。TFTにおいて、ナイト6のように6体編成がメタに入るというのは少ない傾向があります。というのも、シンプルに低ティアのガレン・ダリウス・モルデカイザーを使わなければいけないからですね。しかし、この構成は6体編成のデメリットを加味しても強い構成でした。
今までインペリアルに触れなかったのは謎ですが、インペリアルはTFTセット1において常に強い構成でした。特にドレイブンとスウェインが単体で強いため、ドレイブン構成でも、スウェイン構成でもインペリアルは必要な組み合わせの有力候補でした。
パッチ9.21 セット1最終パッチ
パッチ9.21にてTFTの大きな区切りであるセット1が終了します。大きな変更はなく、前回のパッチのメタである、カイサ構成がメタとして君臨し続けていました。
もう一つのカイサ構成 – ノーブルカイサ
ヴォイドブローラーアサシンが最も強い構成であることは間違いないのですが、もう一つのカイサ構成として一部のユーザーが使っていた構成としてノーブルカイサ構成がありました。この構成は、ノーブルにカイサをねじ込むというもので、多少強引ではありますが、カイサとノーブル自体の相性の良さは抜群でした。
カイサの最速の攻撃速度と、ノーブルの攻撃による回復を組み合わせた方法は面白く、こういった色々な使い方を考えるユーザーさんがいてTFTの楽しみ方が改めて分かりました。
パッチ9.22 セット2 ライズ・オブ・エレメント
TFTはパッチ9.22にて大きく変わりました。ほとんどのシナジーとチャンピオンが入れ替わり、全くの別ゲーのようになりました。ベータシーズンであるセット1で得た教訓を生かして、TFT全体の設計が見直されました。
エレメント要素
- インフェルノマップ
- クラウドマップ
- マウンテンマップ
- オーシャンマップ
セット1におけるオリジンがエレメントと名前が変更されたことに加えて、TFTに「エレメント」という新要素が加わりました。対戦ごとに以上の4つのマップからランダムに戦場が選ばれます。マップに合わせてキアナのエレメントや、追加ステータス(エレメントヘクス)が変わるため、ユーザーは最適な構成を探す必要があります。
ハードカウンター廃止
セット1では、ハードカウンターによって弊害が生まれていました。ハードカウンターを持つ構成はユーザーが目指す価値を感じなるなるため、特定のメタが生まれやすい状況になっていました。セット2でも一部ハードカウンターが存在していたのですが、徐々にこのようなハードカウンターは消されていく傾向があります。
- ワイルド → ヨードルを無効化
- アイテムのドラゴンクロウ → ソーサラーを無効化
- 回復阻害 → ライフスティールアイテム(ガンブレード・ブラットサースター)を無効化
例えばドラゴンクロウのように、マジックダメージを100%軽減するというようなハードカウンターは見直され、軽減がセット2パッチ9.24Bの現在では50%軽減まで下がっています。
メタ:ハイパーライト構成
パッチ9.22時点のメタとして個人的に有力だったと思うのが、ハイパーライト構成です。ハイロールでレベル3にしたヴェインを中心にした構成で、ライトの回復力と攻撃速度によって最強になるティア1のヴェインの迫力はすさまじいものがありました。
このメタは後のライトの回復の仕様変更によって終了します。
9ライト構成
ラックスという運要素が加わったことで、9ライトのように夢の構成が生まれました。
ゼドの多重影分身
セット2は、様々な構成に勝てる能力があります。ライト構成の他にも、シャドウ構成・オラフ構成・プレデター構成などが強かったのですが、その中でも飛びぬけて強かったのがゼド構成です。
ゼドはアイテムやHPやスキルなどを引き継ぐ分身を作れますが、セット2ローンチ直後はステータスやゼドに向いていたアイテムなどの周りの環境も相まって、ゼドが某アニメのようにマップ全体を分身で埋め尽くすほどに分身しまくるという状況が生まれやすくありました。
特にメイジキャップを装備したゼドは1回で2体の分身を作るため、多くのプレイヤーが頭を抱える状況が生まれてしまいました。ゼドは後のパッチで分身を作りにくいようにナーフされて現在は落ち着いています。
パッチ9.23 エッグロール構成の誕生
パッチ9.22にて一時中止されていたランクマッチが、パッチ9.23にて再開しました。テスト段階であった各チャンピオンのステータスやスキルが多数調整され、突出していたライトシナジーやシャドウ、ヨリック・アイスボーンガントレットなどが大きくナーフされました。
多くな変更があってどんな構成がメタになってくるのかと気になっていたのですが、思いもよらない構成がトップメタとして登場します。
EggRoll構成
JPサーバーではウッドランドアサシンと呼ばれていますが、NAサーバーではEggRoll構成と親しみを持って呼ばれた構成です。語源はよく分からないのですが、エッグロール自体はアメリカ風中華料理店の前菜の名前です。見ての通り低ティアのチャンピオンばかりの構成で、私の個人的な予想ですが卵とティアの低いチャンピオンをかけて呼ばれたのではと思っています。他にも中国系アメリカ人がよくやっていた、中国サーバーで生まれたなどネットで調べると色々な意見がでてきますが、確かな理由は分かりません。
キャリーであるレネクトンのアイテム
- ファントムダンサー
- ドラゴンクロウ
- ワーモグアーマー
この構成のデザート要因でしかないレネクトンがキャリーとして使われている点が面白いところです。特に彼のライフスティールスペルを活かすために、フルでタンクアイテムをスタックさせている部分が味噌です。セット1とは違い、セット2では火力系のアイテムだけでなくタンク系のアイテムがメタとなる傾向が面白いです。
この構成は、序盤からゴールドをリフレッシュに使うハイロール系の構成です。エッグロールと親しみを持って呼ばれたこの構成の人気は高く、TFTの大会でもこの構成を目指すランカーは多くおられました。
メタ:オーシャンメイジ
エッグロール構成のほかに、このパッチで突出して強かった構成の一つとしてオーシャンメイジ構成があります。いろいろな形があるのですが、画像の構成はオーシャンメイジにサモナーを組み合わせたものです。オーシャンメイジは、ブラッドミアとシンドラがいるため作り方が分かりやすく、簡単であることが特徴です。初心者向けメタの記事にてオーシャンメイジを紹介させてもらいましたが、オーシャンメイジの設計の簡単さが功を奏してか多くの方にご覧いただきました。
オーシャンメイジは、ナーフされて弱くなった部分もあるのですが、次のパッチでカウンターであるアサシン勢の台頭によってトップメタから落ちていきます。
メタ:ハイパープレデター構成
もう一つ忘れてはいけないのがプレデター構成です。この構成は、パッチ9.22から強かった構成の一つですね。
プレデターは3体編成のため、さまざまな方向に派生できるのも強みです。シャドウ多いときはクリスタル、メイジなどのスペル系構成が多い場合はポイズン、アサシンが多い場合はグレイシャルバーサーカーなど相手に合わせて形を変えることができるのがプレデターの強みです。
パッチ9.24 ブレンダー構成の誕生
このパッチにて新キャラのルシアン・セナ・アムムと新シナジーのソウルバウンドが実装されました。彼らは思ったほど活躍できているとは言えませんが、今後のアプデによってメタになる可能性は大いにあります。
新キャラ
- アムム(ウォーデン・インフェルノ)
- ルシアン(ソウルバウンド・ライト)
- セナ(ソウルバウンド・シャドウ)
メタ:Blenderの誕生
パッチ9.24にて、新たに相性付きの構成が生まれます。JPサーバーでは、ブレマスアサシンと呼ばれているっぽいですが、NAやEUではBlenderと呼ばれている構成です。この構成は、セット1のカイサキャリーのヴォイドブローラーアサシン並みに完成度が高く、へらアイテムを入手しても改善の余地が少ない完璧な組み合わせ(例えばブレマス6という選択肢は逆に弱くなる場合が多い)です。唯一外せる余地のあるのがアサシンを付与するへらアイテムのゴーストブレードを手に入れたときのキアナくらいでしょうか。
この構成はかなり強く、以前のハイパーヴォイドアサシンのようにインティング行為も復活するほどです。
とはいっても、セット2は上手くできていてタリックやアムムキャリーのウォーデン構成が相手にいる場合は、ブレンダーで勝つのは難しいので注意が必要です。
メタ:シャドウレンジャー
セット2のPBE(パッチ9.21時)に最強であったレンジャーは、実装前のナーフによって使われる場面がほとんどありませんでした。そんなレンジャーがパッチ9.24にてバフされ、数々のプレイヤーが期待をもってレンジャー構成を目指すも負けるという場面が多くあったのですが、EUWにてレンジャーのメタ構成が生まれます。
この構成は、改変されたシャドウ(2/4から3/6に編成数が変更された)を組み合わせたもので、新チャンピオンのセナとアムムを組み合わせた構成です。セナが戦闘開始直後にレンジャー全員にバフを配り、バフを活かして敵を倒すという構成です。
2019年の振り返りは終了です
これにて2019年の振り返りは以上になります。メタはたくさんあったのですが、その中のいくつかを紹介させてもらいました。皆さんが思う好きな構成はあったでしょうか。来年は開始早々に新シナジーのルナと新チャンプのレオナ・カルマが登場します。メタは間違いなく変わるかと思うので、気になれば当サイトの新しい記事をご覧いただけたら幸いです。
良いお年をお迎えください!